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  • ikuko shimada

パルクールとお母さんvol.2



パルクールの魅力にどんどん惹かれていく息子を目を細めながら見ていたお母さんは、

その後パルクールの世界をどーんと目の当たりにすることになります。


YouTubeでしか見たことがなかったレッドブルの世界大会「Art of Motion」が横浜であることを知った時、息子はまだ高校生。


ジェイソンポール、マーカスグスタフソン、パシャ など、

パルクール界のスター達が横浜にやってくる!!

彼らの存在は私でも知っていました。




なんと、このような舞台が横浜にやってくるなんて!にわかには信じられませんでした!

なぜ今日本で?横浜で?


息子のためにやってきた!と本気で思う母(笑)





当時、日本ではまだ、パルクールとはなんですか?

と、知度はかなり低いものでしたしね。




息子たちも練習するところは公園くらい。

室内で練習できるなんてほぼ不可能に近い状況で。


技の練習のためにマットなどを使いたくて、区や市の体育館に電話し、

場所や器具を貸してくださいと問い合わせると


団体名は?責任者はどなたでしょうか?


と、尋ねられる始末。

個人に貸してくれないですね(泣)


電話口で落胆する息子の様子を見るたびに、こちらまで悲しくなってきます。


子育ての環境として幼児や小学生までは学童保育、児童館があり手厚いのに対し

中学生くらいになると途端に活動場所がないのですよ。


部活動やお稽古ごとをするしかなのでしょうか。


決まった時間に

決まった指導者のもと

決まったメンバーと

決まった活動をする


もともと「決まりごとの環境」が肌に合わない息子にとっては、

これは学校の延長のようなもの。


体制にハマらない、ハマりたくない、ハマることができない

息子のような子どもたちはどこで活動すればいいのか。


パルクールは場所も選ばず、

人に教えられる事もなく

好きな人と必要な人たちとできる


ということが、息子にとってはとてつもなく魅力的だったのに。


こんな現実にぶち当たり落胆する息子。



少子化が進みどんどん廃校になっていく学校の建物を練習場所にできないか!

いいね!最高!



が、それがほぼ高齢者向け福祉施設になっていくのを知り

自分の住んでいる町は高齢者には手厚いけど僕たちには優しくない!

嘆くとこ嘆くこと、、、笑


「高校生には選挙権がないからしかたないね、、、」

などと冗談のような本気のようなことを一緒に話したこともあります。




それでもなんとか自分たちの居場所を見つけたのが、某区内にある児童館でした。


小学生のまだ来ない時間帯を狙って、トランポリンやマット、跳び箱を使わせてもらい

屋外ではできない動きを練習していたようです。



毎日いきいきとした表情で帰宅する息子! それだけで幸せな母!


それもこれも使用するための条件をきちんと話し合った上で、彼らを受け入れ見守ってくださった児童館長の温かい計らいがあったからだと思っています。



しかも、レッドブルの大会が初めて日本で開催されたその日、なんと児童館館長と職員の方たちが大弾幕とうちわをもって応援にかけつけてくださったのです。



思い出すだけで泣けてきますっ!!


なんとかパルクールをしたい!という気持ちの強さとひたむきに頑張っている彼らの姿になにかを感じてくれいたのでしょう。



強い想いをもって求めれば応援してくれる大人がいる。

大人でも理解してくれる人たちがいるという経験は、高校生の彼らには大切なものとなったはずです。


「障害物」をいかにうまく乗り越えるか

そんなパルクールの本質は現実の世界にも通じるところです。


パルクールってすごくない?

人の生き方にも通じる!これは哲学だ!


息子の経験は私にとって疑似体験となり

今後さらにパルクールに深い関心を持つことになっていくのです。





















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