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  • ikuko shimada

家具ものがたり~ベッド編〜

更新日:2023年5月2日


今日は2階のリビングルームがやけに騒がしい。

僕のいる1階のベッドルームの真上には、キッチンがあるんだけどね。

足音がドンドン聞こえるし、ドタドタと誰かが走り回っているようだ。


僕は普段は誰もいないベッドルームで、いつも静かに暮らしている。

生まれつき静かなのが大好き!

このうちでは比較的広い部屋にいるのに

人はあまりやってこない。

ちょっと寂しいかな。




なぜ?暗いから?

窓も小さいしね。




「寝るだけの部屋だし窓はそんなに大きくなくてもいいよね」って

この家を建てる時、お父さんもお母さんも口をそろえて言ってたみたい。






言い忘れたけど、僕には立派な冠があるんだ。

だけどお父さんはこれを壁にくっつけてしまったので

僕が動くと冠が頭の上から外れてしまい、なんか忘れ物をした感じになる。



いいのこれ?

ね、いいのこれでお母さん?!

動くと外れて間が抜けたかんじになるんだけど。




この際、冠はかぶらなくてもいいから一度2階のリビングルームにも行ってみたいなあ。

今日はやけに楽しそうな笑い声も聞こえるし。




その時、ばあああんとすごい速さでベッドルームのドアが開いた。

勢いあまってドアは壁にあたって2~3回バウントした。



と思ったら僕のおなかの上にどおおおおおんと誰かが乗ってきて

飛び跳ねてる。

わわわ、と驚いている暇もなくキャーキャーとはしゃぐ声。

耳がキンキンする。



おなかの上でどんどん飛び跳ねているのは、

遊びに来ているいつものキッズメンバーだ!


お母さんもあわてて2階から追かけてきて



あぶないから~

僕はトランポリンじゃないからねー



ですとも、そーですとも。

ぼくはトランポリンなんかじゃないよ。

お腹に力を入れて、何とか耐えてるけどさぁ。

ベッドなんだからさー

誰よりも大人しいし静けさが友達なんだからぁ、、、



とか言っても聞く耳持たないのがこのメンバーです!!



はいはい、もー好きにしてください。




と、急に静かになったと思ったら今度はかくれんぼしてる。

おなかの中に潜り込んできた。



小さく丸まってる。

ふふ、なんかかわいい。



息をひそめてるけど、鼻がつまっているのか

息するたびにぶーぶーいってる、ふふふっ。



僕は思わず「気持ち」でぎゅーっとした!



あたたかく、弾んだ命を感じる。



いつでも来てね、また遊ぼうね。



約束だよ。






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