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ikuko shimada

人は環境で作られる「Vol.2家具」


我が家では、テーブルは『フォレスト』ソファは『リージェント』どちらもカーフオリジナルの家具を使っています。過去のブログ『家具ものがたり』にも度々登場している木のテーブルと白いソファはこの家具がモデルとなっています。


ソファは17年くらい、テーブルは11年生活をともにしていて、もう家族にはなくてはならない馴染みの家具たちになっています。


テーブルやソファは、とても人の身体に触れることの多い家具です。

ある日、珍しく息子がカーフのお店に立ち寄った時のこと、いろいろと展示してある中でたまたま何気なく座ったソファ「あーこれこれ!」と、視覚より体感として素早く反応をしたことがありました。なんとそれは自宅で使っているものと同じソファ。座り心地を身体が知っているのには驚きでした。


また、高校生の頃デンマークでお世話になったお友達の家にある椅子が「うちの椅子に似てるねっ」とわざわざ写真を送ってきたこともあり、家具の話などほとんどしたことがないのに、「へーわかるんだなぁ」と感心したことを覚えています。



家や家具などの住空間を、子どもたちはほぼ無意識なのでしょうが、身体で肌で感じているのだと思います。

そして幼い頃に刷り込まれたものは成長しても残っていきます。

その環境が彼らのスタンダードになっていくのです。


成長して例え環境のよろしくない場面に遭遇したとしても、本能的にそこから脱却しようと考えが働きます。


なんか違う、なんか気持ち良くない。この「なんか変」を感じ「なんかいいね」に変えていくことができる源を持つことが大事なのでは思うのです。



今、あなたが口にしているものであなたの身体が作られるように、あなたの住まいがあなたを作っています。


子どもに土に触れさせたり木素材のおもちゃが良いとされているのと同じように、食育が大切だと考えられているのと同じように、暮らしの空間も家具も「育」と考えられるようになるといいですね。


なので、生活するための道具としての家具の役割は大きいと感じています。

毎日食事をするテーブルは触れる頻度も高く、視界に入っている時間も長いです。

デザインが綺麗とか、色が美しいとか、目にも心地良いことも大切です。


そのテーブルの素材が自然の木に近ければ、それは私たちの心にも無意識に伝わります。

自然素材の服が気持ちいいと感じるのと同じです。


カーフでは手触りの良さを残したいので、木の風合いを生かした仕上げにすることが多いのですが、そうすると塗膜感がないかわりにシミが残りやすいので、多くの方がそれは困るとおっしゃいます。じきに薄れていくのですが、いつもきれいなまま使っていたい!という思いが強いのですね。


もともと自然は変化していくものです。木素材のテーブルは、生ものなのです。

色も変わって行きますし、季節や空調によっても乾燥したり膨張したりします。

私たちと同じように呼吸しているのです。


私たちは、自然の恵みをありがたいと感じている一方で、台風、大雪など自然現象には畏敬の念も持っています。

息を呑むような自然の素晴らしさに心を動かされるその反面、人に都合の良いことばかりではないことも知っています。


でも、その中でも私たちはバランスを取りながら生きています。


毎日使う家具や生活の場である住まいを通じても、自然の豊かさやありがたみ、不自由ささえも受け入れ感じながら生活していたら、心も悪い方にはいかないのではないかと。


もともとは自然と共存していた私たち人間です。

家にいながらにして、目の前にあるテーブルから遠い森林を想い、木の育った陽の温もりを感じ、地球、天体までの話に広がっていくとしたら、面白いですよね。



そして、こんな話を膨らませていけるのは「人」ならではです。

それに気づける「愛を持った人が近くにいる環境」も、とても大切なのでしょうね。



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